【中国語】語順が特殊な文
今回は中国語の「語順が特殊な文」について紹介したいと思います。中国語検定やHSKのような資格を目指している方や中国語に興味のある方にも分かりやすいように説明しているので、ぜひご覧ください!
存現文の語順
存現文は存在を示す「存在文」と出現・消失を示す「現象文」に大別されます。その語順は、日本語訳で「~が」に当たるものが、目的語として動詞の後ろに置かれるところに大きな特徴があります。それぞれの用法を見ていきましょう。
存在を表す文:存在文
存在を示す「有」は「場所+有+存在する人/もの」という語順で文を作ります。このとき、『「存在する人/もの」が「場所にある」』と訳し、目的語の位置にある「存在する人/もの」が意味の上では主語になっています。
- 十九 世纪 以前, 那个 农村 的 旁边 有 一条 小河。(19世紀以前、あの農村の横に、ある小川がありました。)
また、「場所/時間+動詞+着+存在する人/もの」の形で「~てある」という意味を表す以下のような文も「有」の文と同じ語順になります。
- 桌子 上 放 着 一本 书。(机の上に本が一冊おいてあります。)
出現・消失などの現象を表す文:現象文
ものが出現したり消えたりすることを示す動詞も、目的語の位置に意味上の主語をもってくる文を作ります。
- 不熟悉 的 地方 容易 发现 它 的 美丽 之 处。(よく知らないところで美しいところが見つかりやすいです。)
また、以下のような動詞に「了」や方向補語が付いた文も、動詞部分が出現や消失を表し、目的語の位置に意味上の主語が置かれます。
- 那边 开 过 来 了 一辆 公交车。(あちらからバスがやってきました。)
- 我们 班 走了 一个 学生。(私たちのクラスから学生が一人いなくなりました。)
どちらも「場所+動詞部分+出現/消失する人/モノ」となっています。
自然消滅を示す文
「雨が降る」「雪が降る」「風が吹く」という表現も、中国語では存現文と同じ語順で作ります。意味上の主語である自然現象は動詞の後ろに置かれます。自然現象の文は、動詞の前に形式上の主語を置かないのが普通です。自然現象を起こしている「天」は自明のもので書く必要がないからです。
- 刚才 听 广播 说明 可能 会 下 大雨。(今しがた、ラジオで大雨が降るかもしれないと説明されているのを聞きました。)
動量詞がある文の語順
動量詞とは動作の回数を示す語句のことです。動量詞には「遍(始めから終わりまでを通した回数)」「次(動作の回数)」「顿(食事などの回数)」などがあります。
回数を示す「数詞+動量詞」は文の中では動詞の後に置くというルールがあります。しかし、その動詞に目的語がある場合は、その目的語の性質によってそれぞれ語順の決まりがあります。ここでは目的語の性質別に見ていくことにします。
目的語が普通の名詞のとき
目的語が人称代詞などのときは、動量詞は動詞と目的語の間に置きます。
- 我 女儿 今天 吃 了 三顿 饭。(私の娘は今日3回食事しました。)
目的語が代詞のとき
目的語が人称代詞のときは動量詞は「動詞+目的語」の後ろに置きます。
- 我 见过 他 两 次。(私は彼に2度あったことがあります。)
目的語が固有名詞のとき
目的語は固有名詞の場合は動量詞と目的語の位置はどちらにおいても構いません。
- 我 参观 过 长城 三次。
- =我 参观 过 三次 长城。(私は万里の長城を3回見学したことがあります。)
最後に
いかがでしたか?今回の内容は少し複雑ですが、ぜひ覚えておきましょう!